国内感染1万人超す 新型コロナ、9日間で倍増

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国内で確認された新型コロナウイルスの感染者が18日、累計で1万人を超えた。1日の新規感染が500人を上回る日が増えており、爆発的な感染拡大(オーバーシュート)を食い止められるか、なお瀬戸際にある。緊急事態宣言が全国に出される中、引き続き外出自粛などを通じて拡大を抑え込む必要がある。

累計の感染者数は18日午後9時時点で1万278人、死者は222人。東京都で同日、新たに181人の感染が判明するなど、増加ペースは高水準だ。退院した人は同日正午時点で1052人となった。

都市部を中心に感染経路が分からない人が増えており、市中感染が広がっているとみられる。クラスター(小規模な感染者集団)を追跡して感染の広がりの全容を把握するのは事実上、困難になっている。

日本で累計感染者が1千人を超えたのは3月21日、5千人を超えたのは4月9日で、そこから9日間で倍増した。1千人から1万人までは1カ月弱のペースだ。

米ジョンズ・ホプキンス大学のまとめによると、米国では3月11日に感染者が1千人を超え、同19日に1万人を突破。同27日までに10万人台に乗るなど加速度的に増えた。日本はそれに比べると増加ペースが緩いが、ウイルス検査件数が伸びず感染者を正確に把握できていないのではないかとの指摘もある。

感染拡大を受けて政府は16日、緊急事態宣言の対象を全国に拡大した。合わせて改定された政府の基本的対処方針は、感染者が急増している東京や大阪以外の地域についても「感染が拡大すれば医療が機能不全に陥る可能性が高い」と指摘し、感染拡大の理由を「3月の3連休にかけて警戒が一部緩んだため」とも分析した。

安倍晋三首相は17日の記者会見で、人と人の接触を8割減らすとの取り組みについて「目標レベルに達していない」と述べ、移動の自粛を改めて訴えた。