緊急事態宣言、7府県に追加発令 ビジネス往来も停止

Nikkei Online, 2021年1月14日 6:33更新

菅義偉首相は13日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大阪、兵庫、京都、愛知、岐阜、福岡、栃木の7府県に緊急事態宣言を発令した。期間は14日午前0時から2月7日まで。宣言の対象は7日に発令した東京、神奈川、埼玉、千葉とあわせ11都府県になった。中国や韓国など11カ国・地域とのビジネス往来も期間中はやめ、外国人の新規入国は原則として停止する。

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首相は13日の記者会見で「大都市で人口が集中し、全国に感染が広がる前に対策を講じる必要がある」と追加発令の理由を説明した。「厳しい状況を好転させるために欠かせない措置だ」と協力を求めた。

飲食店の時短、外出自粛、イベント制限、テレワークの推進を挙げて「効果は必ず出てくる」と語った。「タイミングを逸することなく、効果的な措置を講じる」と強調した。

宣言の対象地域以外でも感染が広がる自治体には「宣言に準じる措置」として「同じ支援をする」と述べた。4段階の感染状況で最も深刻な「ステージ4」に近づく自治体が念頭にあり、時短営業への協力金の増額などをする。

首相は2月7日まで「徹底して行動を見直してほしい」とも訴えた。対象を全国に拡大するかを問われると「政権として最善の判断が求められる」と述べるにとどめた。


7府県の知事は既に発令した1都3県と同様の感染防止対策を要請できる。飲食店やバー、カラオケなどは午後8時までの営業を求める。酒類の提供は午前11時から午後7時まで。応じない店舗は公表できる。協力した店に1日最大6万円の協力金を払う。

住民には午後8時以降、不要不急の外出自粛も求める。企業にはテレワークの徹底を促す。出勤者数の7割削減を目標とする。

発令済みの1都3県で人出が十分に減っていない。首相は記者会見で11都府県での外出について「夜8時以降だけでなく日中も控えてほしい」と呼びかけた。西村康稔経済財政・再生相は13日、昼間の会食や県をまたぐ移動も自粛を求めた。

海外との水際対策も強化する。首相は会見で「あらゆるリスクを予防的に取り除くため、ビジネストラックは宣言が発令されている間、一時停止する」と述べた。昨年12月に外国人の新規入国を止めたが11カ国・地域とのビジネス往来は例外だった。

首相はこれまで感染力が強い変異種が発見された国からのビジネス往来に限って「即時停止する」と説明していた。国内で新規感染者数が急増し、海外で変異種の感染が急拡大している状況を踏まえて方針転換した。