大学入学共通テスト、OpenAIは9科目満点
得点率97%でGoogleに勝利


Source: MSN News, 2026年1月20日 5:00


17〜18日実施の大学入学共通テストに最新の人工知能(AI)モデルが挑戦したところ、米オープンAIは主要15科目のうち9科目で満点を取った。全体の得点率は97%に達し、米グーグルや米アンソロピック(ともに91%)を上回った。AIが難関大入学レベルの知能を備え、幅広いデスクワークを担える能力を改めて示した格好だ。

AIスタートアップのライフプロンプト(東京・新宿)と日本経済新聞が共同で調査した。オープンAIの「GPT-5.2 Thinking」とグーグル「Gemini 3.0 Pro」、アンソロピック「Claude 4.5 Opus」の各社の最新鋭モデルに主要15科目を解答させた。3モデルともにすべての科目で制限時間内に解答を出力した。

オープンAIのモデルは数学のⅠAとⅡBC、化学、化学基礎、物理基礎、地学基礎、生物基礎、情報Ⅰ、公共・政治経済の9科目で満点だった。同社のモデルは2024年の共通テスト解答率の66%から25年に91%を達成し、26年に97%に上昇した。データ学習量の増加とともに大学入試でも解答精度が高まっている。

その他の得点率も英語リーディング(97%)や日本史(97%)、世界史(97%)などで満点近い点数だった。地理総合・地理探究(91%)と国語(90%)はやや苦手だったが、15科目平均の得点率は97%に達した。


グーグルやアンソロピックもそれぞれ、数学IAや生物基礎、公共・政治経済などで満点に達した。全教科の得点率はどちらも91%だった。アンソロピックは国語でオープンAIに並び、日本語の処理能力を見せつけた。その一方で、地理で72%と苦戦した。グーグルは国語が86%と停滞した一方、理系科目を中心に手堅く得点した。

大手予備校の河合塾などは文系6教科、理系6教科の予想平均点が約6割と公表した。3つのモデルとも全教科で受験生平均を上回った。

大学入学共通テストの会場に向かう受験生(17日、東京都文京区の東京大学)

グーグルやアンソロピックは問題文の入力から解答内容の出力まで最短4分ほどで1科目を終わらせた。時間のかかった数学や国語でも最長20分ほどで解答欄を埋めた。オープンAIは両社に比べて2〜3倍の時間をかけて解答していた。

3つのモデルとも総じて理系科目が得意で、国語や地理での取りこぼしが目立った。英語でも長文とイラストの両方を読み解いて適切な単語を選ぶ問題で失点した。数学の図形問題は認識できたが、世界地図などの変則的な画像を認識する能力に欠けた。

特に地理では日本地図の都道府県の色分けや、グラフと地図を組み合わせて解く問題で失点した。物理では円形波と平面波が干渉する問題で3モデルともに誤答するなど、不規則な図を特に苦手とすることがわかった。

最新鋭のAIに大学入学共通テストを解かせると「満点」が相次いだ(東京都新宿区)

24年の共通テストでは、オープンAIの当時の最新モデルで66%、グーグルで43%、アンソロピックで51%の得点率だった。25年はオープンAIが91%の得点率を達成し、東大の2次試験でも理科Ⅲ類の合格レベルの成績だった。

今回の検証からは、時間をかけても高い精度が求められる財務や法務関連ではオープンAI、文書要約などのスピード重視の業務ならグーグルやアンソロピックが適しているといえそうだ。ライフプロンプトの遠藤聡志最高経営責任者(CEO)は「特性やコストに応じてモデルを使い分けることでAIの強みを最大限引き出せる」と語った。

(岩沢明信)