大阪北部で震度6弱 3人死亡、2府3県259人けが

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 18日午前7時58分ごろ、大阪府北部で震度6弱を観測する強い地震があった。気象庁によると、震源の深さは13キロで地震の規模はマグニチュード(M)6.1。広い範囲で人的・物的な被害が生じており、大阪市と同府高槻市、茨木市で計3人が死亡。大阪、京都、兵庫、滋賀の2府3県で259人がけがをした。近畿圏では鉄道運休が相次ぎ、水道管の損傷や断水、ガスの供給停止が起きるなど都市機能がまひ。企業活動に影響が出ている。

 政府は首相官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置した。大阪府の松井一郎知事は陸上自衛隊に災害派遣を要請。防衛省は給水支援のため陸自を派遣する。給水車で生活に必要な水を配るなどの支援をする。

 大阪府内で震度6以上を記録したのは1923年に現在の形で観測を始めてから初めて。この地震で津波の心配はない。

 気象庁によると、南海トラフへの影響はないとみられるが、同庁は「今後2~3日は規模の大きな地震が発生することが多くある」と注意を呼びかけている。地震の規模は当初、M5.9と速報したが修正した。

 警察庁などによると、高槻市で死亡したのは市立寿栄小学校の4年生女児(9)で、登校中に倒れてきた学校のプールの壁の下敷きになった。大阪市東淀川区では男性(80)が家屋の倒壊に巻き込まれ死亡。茨木市では男性(85)が自宅で倒れてきた本棚の下敷きになり死亡した。

倒壊した大阪府高槻市立寿栄小の壁(18日午前)=共同

 総務省消防庁によると午後4時現在、大阪、京都、兵庫、滋賀、三重の2府3県で負傷者が259人出ている。

 JR東海と西日本によると、東海道新幹線は設備点検の影響で下りが名古屋―新大阪間、上りが米原―新大阪間で約5時間、運転を見合わせた。山陽新幹線は新大阪―岡山間の上下線で運休し、午後3時ごろ運転を再開した。

 在来線も近畿圏の広い範囲で運転をとりやめた。阪急電鉄、阪神電鉄などの私鉄各線や大阪メトロなどで運休が相次ぎ、鉄道ダイヤに大きな乱れが出ている。

 

線路を歩いてJR新大阪駅に向かう乗客
(18日午前、大阪市淀川区)=時事

全日空日本航空などによると18日午後、大阪国際(伊丹)空港発着便を中心に計74便が欠航。関西国際空港と神戸空港は定刻通り運航している。

 関西電力によると、大阪府と兵庫県で一時計約17万戸が停電。大阪ガスは高槻市と茨木市の一部などで約11万戸のガス供給を停止した。ビルやマンションなどのエレベーターへのとじ込め、水道管破裂も相次いだ。

 西日本高速道路(NEXCO西日本)は大阪府中心のエリア、阪神高速道路は全線でそれぞれ点検のため通行止めにしている。事故や被害の情報は入っていない。