「30年以内に震度6弱以上」大都市圏のリスク浮き彫り

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 政府の地震調査委員会(委員長、平田直東京大学教授)は 26日、全国各地で今後30年以内に震度6弱以上の大地震に見舞われる確率を示した2018年版の全国地震動予測地図を発表した。

 17年版と同様、首都圏や中部~四国地域の太平洋側、近畿地方などの確率が高い。また千島海溝沿いプレートでの巨大地震発生確率を見直したため、北海道東部での上昇が目立った。大都市圏の震災リスクの高さが改めて浮き彫りになっただけでなく、防災対策の見直しを迫られる自治体もありそうだ。

 評価は18年1月1日現在。今月18日に発生した大阪北部地震の影響は織り込んでいない。

 南海トラフ巨大地震は平均約90年間隔で発生していると考えられ、時間の経過と共に発生リスクを高めた。この結果、南海トラフ巨大地震の影響を受ける恐れのある都道府県の確率が前回調査に比べてわずかに上昇した。

 県庁所在地別でみると、最も確率が高いのは17年版と同様に千葉市で85%。発生確率は17年版と同じだった。これに横浜市82%(1ポイント上昇)、水戸市81%(前回と同じ)、高知市75%(1ポイント上昇)、徳島市73%(1ポイント上昇)、静岡市70%(1ポイント上昇)が続いた。

 三大都市圏では東京都庁が48%(1ポイント上昇)、名古屋市46%(前回と同じ)で、大阪市は56%(同じ)だった。

 調査委は17年12月、北海道東部沖の千島海溝沿いの地震評価を見直し、マグニチュード(M)9級の超巨大地震をはじめて想定に入れた。今後30年間に起きる確率を7~40%とした。18年度版ではこの見直しを織り込んだ結果、北海道東部で今後30年間に震度6弱以上の地震に見舞われる確率が軒並み上昇。北海道で最も高いのは根室市の78%で17年版より15ポイント上がった。

 また、浦河町は70%(同5ポイント上昇)、釧路市は69%(同22ポイント上昇)になった。札幌市は震源域から離れていることから1.6%と前回の0.92%から小幅の上昇にとどまった。

 調査結果の詳細は国立研究開発法人「防災科学技術研究所」のホームページhttp://www.j-shis.bosai.go.jp/で公表される予定。