Nikkei Online, 2023年10月12日 9:36更新
銀行間送金システムで10日から続いていた障害は12日朝に解消し、通常どおり利用できるようになった。他の金融機関への送金に遅延が出ていた三菱UFJ銀行などから他行向けに通常通り送金できるようになった。遅延していた送金取引は順次処理されるという。障害発生から丸2日を経て、送金インフラは正常化に向かう。
システムを運営する全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)が12日朝、午前8時半から通常どおり振り込みできるようになる見込みと発表し、三菱UFJ銀も正常稼働を確認したと公表した。りそな銀行や商工組合中央金庫なども通常通り送金できるようになったと周知している。
全銀ネットが運営する「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」では10日以降、三菱UFJ銀やりそな銀行などで他の金融機関に送金ができなくなる障害が発生していた。障害が起きた10金融機関からの送金の未処理分は11日夜時点で計90万件程度にのぼっていた。
10日から11日までの2日間で計255万件の送金取引に遅延などが生じた。児童手当や給料の振り込みといった個人への送金のほか、約束手形など企業間の決済などに幅広く影響した。障害が起きた同システムと各金融機関を結ぶ「中継コンピューター(RC)」のソフトウエアを改修した。
全銀システムの障害解消後は再発防止策の策定が課題となる。同システムの顧客に影響が出る障害は1973年の稼働以降、初めて。システムの不具合が発生していたのは三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらい銀行、山口銀行、北九州銀行、もみじ銀行、日本カストディ銀行、商工組合中央金庫。