立憲民主・公明が新党結成で合意

 党首会談、衆院選へ協力

会談に臨む立憲民主党の野田代表(右)と公明党の斉藤代表(15日、国会内)

立憲民主党と公明党は15日、次期衆院選に向けて「新党」をつくると合意した。小選挙区と比例代表で互いに支援する。高市早苗政権が安全保障政策や憲法改正に関して「保守傾斜」を強めていると警戒し、中道勢力の結集をめざす。

立民の野田佳彦、公明党の斉藤鉄夫両代表が国会内で会談して一致した。会談に先立って両党は2党間の選挙協力などについて代表一任をそれぞれ得ていた。

立民と公明党は両党の候補を同じ名簿に登載する「統一名簿」方式を採用する。議席につながらない「死票」を減らして勢力の拡大につなげる狙いがある。

統一名簿の作成にくわえ、小選挙区と比例に重複立候補するために新党が必要だとの見方が広がっていた。新党は衆院に限り、当面は参院議員や地方議員は立民や公明党に属したままとなる公算が大きい。

両党は互いの弱点を補強できるとみる。立民は比例で公明党の候補を上位に優遇する案がある。自民党との連立を解消した公明党は自力で小選挙区をとるのは難しい。野党第1党の立民と組み比例上位に入れば当選確率が増す。

公明党は小選挙区から完全撤退するかどうか議論を詰める。2024年衆院選で4人が小選挙区から当選した。そのうちの1人である斉藤氏は広島3区を地盤にしている。

公明党は比例で優遇を受ける代わりに小選挙区で立民候補を応援する見通しだ。公明党の支持母体・創価学会は組織票を持つ。立民候補が接戦区で公明票を得られれば自民党などの候補に競り勝てる可能性が高まると期待する。

両党が選挙協力を進めるのは高市政権の「右旋回」を懸念するからだ。政権与党に安保3文書の改定時に「非核三原則」を見直すべきだとの意見がある。憲法改正は集団的自衛権を全面容認したり、戦力の不保持などを定める9条2項を削除したりする意見がある。

高市政権の「責任ある積極財政」にも反発が目立つ。大規模な歳出や減税が金利上昇や円安を招いて国民生活を圧迫していると主張する。両党は自民党の「政治とカネ」問題でも企業・団体献金の規制を求めている。

新党は選挙目当ての野党と批判されるリスクがある。政府高官は「両党の焦りを映す」と指摘した。最近の国政選挙で立民も公明党も振るわず、多党制のなかで埋没しかねない。

国民民主党の玉木雄一郎代表は14日、記者団に「主義、主張の違う政党が選挙のときだけ名簿を1つにするのは国民にわかりやすいのか」と疑問を呈した。新党への参加に慎重な姿勢を示す。

立民と公明党は安保法制や原子力政策、憲法改正を巡る立場に違いが残る。共通公約の実現に向けて意見集約を進める必要がある。

衆院選に向けた新党結成は先例がある。17年に東京都の小池百合子知事が中心となって保守系勢力の結集をめざして「希望の党」を立ち上げた。当初は注目が高かったものの、小池氏が安保政策などで距離がある勢力を「排除する」と発言すると批判を浴びて失速した。

立民の安住淳幹事長は15日、都内で希望の党の教訓を念頭に「我々は排除の論理でやらない」と記者団に話した。中道勢力の結集は立民以外にも呼びかける方針だ。


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