相次ぐ災害、訪日客直撃 大阪・北海道で消費急減

「国慶節」控え、不安広がる

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  • Nikkei Online: 2018/9/15 1:00
  •  大規模災害に見舞われた大阪と北海道で、インバウンド(訪日外国人)消費への懸念が広がっている。関西国際空港は14日、主力の第1ターミナルで運航を一部再開したが、当面は客足の鈍化が避けられない。北海道でも宿泊キャンセルが相次ぐなど、観光客に人気の両地域で相次いだ災害は打撃だ。訪日客の不安払拭へ向けた取り組みが必要になる。

     普段は食べ歩きをする訪日客でごった返す大阪・ミナミの黒門市場。台風21号の通過後は閑散としたままだ。松阪牛を提供する飲食店「肉星」は客の9割を外国人が占め、台風後に売上高が10分の1に減った。

     大阪市や京都市の小売りや外食など訪日客に人気の36社・店に関空欠航の影響を聞いたところ、全てで台風前より訪日客が減少。このうち4割弱の店が「客数が半分以下に減った」と答えた。百貨店では、阪急うめだ本店(大阪市)の免税売上高が半減、あべのハルカス近鉄本店(同)も3割落ち込んだ。

     北海道でも観光客が激減している。日本旅館協会北海道支部連合会は宿泊キャンセルが50万人、影響額は100億円に上ると推計。国内の旅行客に加え中国や欧米からの訪日客のキャンセルが相次いでいる。

     関空は14日、浸水で機能が停止していた第1ターミナルの一部を再開。21日をめどに全面復旧を目指す。北海道でも電力の復旧が進んでおり、訪日客数は徐々に回復するとみられる。

     一方、風評も含め日本への旅行を敬遠する動きを警戒する声もあがる。10月初旬は中国の大型連休である国慶節(建国記念日)に当たり、旅行業にとってはかき入れ時だ。中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」は、「台風は避けられたと思ったのに北海道で地震に遭遇してしまった」といった投稿であふれる。

     2017年の訪日客数は2869万人と5年前に比べ3.4倍に拡大。政府は20年に4000万人、30年に6000万人に伸ばす目標を掲げる。17年の訪日客による旅行消費額は16年比約18%増の約4兆4000億円と経済効果も大きい。

     日本政府観光局によると7月の訪日客数は前年同月比5.6%増で13年1月以来の低い伸びだった。6月の大阪北部地震や7月の西日本豪雨の影響で、韓国や香港からの訪日客が減った。相次ぐ災害でイメージが悪化すれば、足元で続いてきた訪日客の増加に水を差す恐れがある。

     大阪観光局は関空から帰国できない訪日客を対象に、大阪城など30カ所以上の観光地を巡れる「大阪周遊パス」を無料配布。北海道観光振興機構などは国に対し、道内観光の安全性の情報発信や団体旅行への補助といった支援を求めている。今後は外国語による災害情報の提供も含め訪日客の不安払拭が課題になる。