日本のGDP、ドイツに抜かれ世界4位に IMF予測

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Nikkei Online, 2023年10月24日 10:10

日本のGDPは長期的に低迷を続けている=ロイター

【ワシントン=高見浩輔】日本の名目国内総生産(GDP)が2023年にドイツを下回って4位に転落する見通しであることが国際通貨基金(IMF)の予測で分かった。円安やドイツの高インフレによる影響も大きいが、長期的には日本経済の低迷を反映している。

23日までに公表した経済見通しで示した。名目GDPはモノやサービスの価格変動を含めたベースで、国・地域の経済活動の水準を示す。一般的な経済規模を示す指標として用いられることが多い。

23年は日本が前年比0.2%減の4兆2308億ドル(約633兆円相当)、ドイツは8.4%増の4兆4298億ドルとなる見込み。1位の米国は5.8%増の26兆9496億ドル、2位の中国は1.0%減の17兆7009億ドルだった。

2000年の時点では日本の経済規模は今より大きい4兆9683億ドルで世界2位だった。00年初の円相場は1ドル=105円程度。当時はドイツの2.5倍、中国の4.1倍だった。10年に日本を抜いて2位の座についた中国は、23年には日本の4.2倍となる見込みだ。

それぞれの自国通貨建てで00年からの名目GDPの伸びをみると、中国が12.6倍と突出する一方で日本は1.1倍にとどまる。伸びはドイツの1.9倍や米国の2.6倍を大幅に下回る。物価変動を除いた実質GDPでみても日本の伸びは1.2倍と米独よりやや低い。

内閣府は2001年3月の月例経済報告の中で、日本が緩やかなデフレにあると初めて認定した。家計が消費を先送りして貯蓄を増やしたり、企業が新たな設備投資を抑制したりして経済全体にマイナスの影響を与えると弊害を指摘した。日本は生産年齢人口(15〜64歳)も95年から減少を続けている。

 

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