自民総裁選、競り合う石破・高市・小泉氏 午後に投開票

決選投票の見通し

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Nikkei Online, 2024年9月27日 10:09更新

自民党の新総裁は27日午後、選出される

岸田文雄首相(自民党総裁)の後任を決める党総裁選は27日午後、国会議員の投票を実施し、党員・党友票とあわせて開票する。1回目の投票で有効票の過半数を得る候補がいれば、新総裁として選出される。今回は過去最多の9人が立候補したため、どの候補も過半数を得られず上位2人の決選投票になるのが確実な情勢だ。

新総裁は同日午後3時40分ごろに選出される見通しだ。

国会議員の支持動向と13〜15日の日本経済新聞の世論調査から試算した党員・党友票を合わせると、石破茂元幹事長や高市早苗経済安全保障相、小泉進次郎元環境相が競り合っている。

総裁選は首相の9月末までの任期満了にともなう。首相は自民党派閥の政治資金問題に関し「私が身を引くことでけじめをつける」として出馬しなかった。

届け出順に高市氏、小林鷹之前経済安保相、林芳正官房長官、小泉氏、上川陽子外相、加藤勝信元官房長官、河野太郎デジタル相、石破氏、茂木敏充幹事長が出馬した。

今回は麻生派を除く5派閥が解散を決めてから初めての総裁選になった。党改革・政治改革に加え、賃上げや解雇規制などが争点となった。

総裁選では党所属の国会議員が1人1票を持つ「国会議員票」と、同数の「党員・党友票」がある。衆参議長などを除く国会議員368票と、それと同数の党員票の計736票で争う。党員票は全国の得票数を「ドント方式」で各候補に配分する。

党所属の国会議員は27日午後1時から党本部で投票を始める。投票権を持つ党員・党友は全国で105万5839人にのぼり、26日までに郵送などで投票した。党員票は27日午前に各都道府県連での開票作業が始まった。議員票と党員票を集計し、午後2時20分ごろに結果を発表する。

1回目の投票で1位となった候補が有効投票の過半数に届かなければ、上位2人による決選投票に移る。決選投票になった場合、新総裁は午後3時40分ごろに選出される予定だ。

決選投票は議員票の重みが増す。国会議員票が368票、党員票は各都道府県連がそれぞれ1票を持つ計47票となる。1回目で3位や4位となった候補の議員票がどこに流れるかで決選投票の勝敗は左右される。

1回目の投票ではどの候補も過半数を得られず、石破、高市、小泉の3氏から上位の2氏が決選投票に進む可能性が高い。

石破氏は27日午前、陣営の会合で「日本のため、次の時代のためにこの戦いは必ず勝たなければならない」と強調した。「皆さまにこれ以上ない支援をいただいてきた。必ず応える」と訴えた。小泉氏は「なんとしても勝利したい。 最後の最後まで誠心誠意思いを伝え続ける」とのコメントを発表した。

小林氏は記者団に「結果が出ないと意味がないと思っているので今回の総裁選勝ちきる、その思いで最後まで力を尽くす」と強調した。林氏は総裁選期間中の石川県の大雨被害対応などを念頭に「(官房長官として)危機管理があったがしっかり戦えた」と振り返った。

上川氏は「最後の最後までゴールに至るギリギリまで粘り強く情熱を込めて動いていく」と語った。加藤氏は27日、明治神宮(東京・渋谷)を参拝した。参拝後、記者団に「最後まで一人でも多くの議員の賛同をもらえるように努力する」と力を込めた。

新総裁は27日午後6時に党本部で記者会見する。直ちに幹事長ら党役員人事に着手する。10月1日に召集される臨時国会での首相指名選挙を経て、新首相に就任する。同日中に組閣をへて、新内閣が発足する見通しだ。

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