Nikkei Online, 2025年10月21日 11:27更新
自民党の高市早苗総裁は21日午後に発足する見通しの新内閣の人事で、財務相に片山さつき元地方創生相を充てる方針だ。木原稔前防衛相を官房長官に起用する。高市氏が党総裁選を争った茂木敏充元幹事長を外相、小泉進次郎農相を防衛相、林芳正官房長官を総務相にする。
第219回臨時国会が21日に召集され、高市氏が午後の衆参本会議で第104代首相に指名される公算となった。皇居での首相親任式と閣僚認証式を経て同日夜に高市内閣が発足する。高市氏は記者会見を開き、新政権の基本方針や重点政策を説明する予定だ。

高市氏と日本維新の会の吉村洋文代表は20日、連立政権を樹立する合意書に署名した。日本維新の会は首相指名選挙で、1回目から高市氏に投票する。
自民、維新両党は衆院で231議席を持つ。衆院会派「有志・改革の会」に所属してきた守島正、阿部弘樹、斉木武志の3氏は高市氏に投票する方針で、1回目の投票で高市氏が233の過半数を得る可能性がある。初の女性首相が誕生する。

高市氏は「全員活躍」「全世代総力結集」で政権を運営する方針を掲げる。総裁選で競った4候補は政調会長に就けた小林鷹之氏を含め、いずれも党三役か閣僚で処遇する。自民党総裁選では敗れた陣営が役職に就けない事例は珍しくない。
総裁選で高市氏を支えた城内実経済安全保障相、黄川田仁志氏も入閣させる方針だ。参院からは牧野京夫氏の閣僚登用が固まった。新設閣僚として外国人政策を統括する担当相を置く。長く公明党の議員が担ってきた国土交通相の人事も注目される。
連立を組む日本維新の会からの閣僚起用は見送る。閣外協力にとどめるものの、首相補佐官には維新の遠藤敬国会対策委員長を起用する。高市首相と維新のパイプ役を担う。