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長崎・天草「潜伏キリシタン」 世界遺産登録決定

 【バーレーン=岐部秀光】国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第42回世界遺産委員会は30日、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本両県)の世界文化遺産への登録を決めた。国内での登録は6年連続で22件目。江戸時代のキリスト教弾圧のなかで信仰を続けた希少な宗教文化が評価された。

 バーレーンの首都マナマでの審議で決めた。登録はユネスコの諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)が5月、ユネスコに勧告していた。

 潜伏キリシタン関連遺産は12の資産で構成。17~19世紀にわたりひそかに信仰を守った歴史がテーマで、「始まり」「形成」「維持、拡大」「変容、終わり」の4期に区分される。

 1637年の島原の乱で武装蜂起したキリシタンらが立てこもった「原城跡」(長崎県南島原市)、漁具や貝殻を祈りの対象に見立てるなど漁村特有の信仰形態が続いた「天草の崎津集落」(熊本県天草市)などが含まれる。幕末に潜伏キリシタンが神父に信仰を告白した「大浦天主堂」(長崎市)は現存する国内最古の教会だ。

 登録までの道のりには曲折があった。文化庁は2007年、ユネスコに推薦するための「暫定リスト」に追加。キリスト教伝来から禁教期、信仰の復活までに関する14の資産で構成する「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」として、政府は15年にユネスコに推薦書を提出した。

 イコモスは15年に現地調査し、16年の中間報告で「日本の特徴である禁教期に焦点を当てるべきだ」と指摘。政府は推薦を取り下げた。長崎、熊本両県はイコモスの助言を得て内容を修正。政府は17年に再度、推薦書をユネスコに提出した。