伊方3号機、10月27日再稼働 四国電、高裁決定受け

 四国電力は25日、伊方原子力発電所3号機(愛媛県伊方町)を10月27日に再稼働すると発表した。広島高裁による運転差し止め仮処分の取り消し決定を受け、同社は9月26日に国に再開手続きを申請する。1年ぶりに同社最大の発電設備が稼働することで2019年3月期は最終黒字となる公算だ。ただ28日の大分地裁の決定次第で「即停止」の可能性は残る。

勝訴を受け記者会見する四国電力の小林功常務

 高裁決定を受け四国電本店(高松市)で開かれた記者会見。法務担当の小林功常務は「伊方3号機は安定、低廉な電力供給を支える基幹電源。安全運転に万全を期したい」として、10月1~4日に燃料を搬入し、同月30日に送電を再開する工程を示した。

 伊方3号機の出力は89万キロワットあり、16年8月に新規制基準下では全国3カ所5基目として再稼働した。17年10月からの定期検査で停止中の同12月、広島高裁が阿蘇山の噴火リスクを挙げて運転差し止め仮処分を命じた。これにより18年1月に予定していた運転再開が不可能になり、火力発電の燃料コスト増など約330億円の収支悪化要因になった。

 今後、予定通り再稼働すれば月間35億円の収支改善効果が見込める。供給力が高まり競争力が増すうえ、ゆとりの出た火力発電を他社や市場への販売に振り向ければ、売り上げも拡大できる。未定としている19年3月期の業績予想について小林常務は「黒字になると思う」と語った。3号機不在の18年4~6月期は最終赤字となっていた。

 仮処分は運転差し止めを「18年9月末まで」としており、法的には10月以降の再稼働は可能だった。異議を申し立てず期限切れを待つ選択もあったが、小林常務は「原発は安全性が大事。住民の安心につながるよう、勝訴して再稼働に入りたかった」と語った。

 近隣県で複数の運転差し止め訴訟や仮処分申請がある点については、勝訴の実績を積み重ねていきたいとしている。