Nikkei Online, 2025年10月27日 20:56更新

天皇陛下は27日、トランプ米大統領と皇居・御所で会見された。午後6時半ごろ、御所の車寄せに到着したトランプ氏を笑顔で出迎え、握手された。陛下はトランプ氏に「再びお会いできてうれしく思います」と、通訳を介さず直接英語で話された。
陛下がトランプ氏に会われたのは2019年5月以来、約6年ぶり。
宮内庁によると会見はおよそ30分間で、冒頭から和やかな雰囲気だった。会見には通訳が同席した。

会見で陛下は、トランプ氏が大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手を称賛する発言をしたことに触れ、米国社会が日本人選手を受け入れていることに謝意を示された。トランプ氏からは、山本由伸選手を念頭に「日本の投手も大変よかった」との発言があった。
陛下は19年、トランプ氏からビオラを贈られた。「大変いい音がして気に入っている」として、時々弾いていると明かされた。
トランプ氏は「高市早苗新首相のもと、日米関係をさらに強化していきたい」と話した。28日に予定されている首脳会談には「大変良い会談になることを期待している」と述べた。
陛下は「今回の訪日が日米の友好関係をさらに強化することを期待している」と応じられた。
トランプ氏からは天皇、皇后両陛下に、ホワイトハウスへの招待があったという。

トランプ氏は19年、メラニア夫人を伴って国賓として来日し、両陛下と会見。両陛下が主催される皇居・宮殿での晩さん会に出席した。両陛下にとっては、即位後初めて迎えられる国賓だった。
トランプ氏は17年11月、米大統領として初の来日時に在位中の上皇ご夫妻とも御所で会見していた。