米、ウクライナ追加支援1000億円 ヘリなど高度兵器供与

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Nikkei Online, 2022年4月14日 8:07更新

バイデン氏はゼレンスキー氏に 8億ドル(1000億円)
相当の軍事支援を追加承認すると伝えた=ロイター

【ワシントン=坂口幸裕】バイデン米大統領は13日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話で協議した。バイデン氏は8億ドル(約1000億円)相当の軍事支援を追加承認すると伝えた。ロシア軍によるウクライナ東部での攻勢に備え、ヘリコプターや火砲など高度兵器を供与して戦力を増強する。欧州連合(EU)も同日、5億ユーロ(約680億円)の追加支援を決めた。

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米ホワイトハウスは13日に発表した声明で「ウクライナ軍は米国が供与する武器で壊滅的な効果を上げている」と指摘。「ロシアはウクライナ東部のドンバス地方で攻撃を強めようとしており、米国はウクライナに自衛のための能力を提供し続ける」と記した。

米国防総省のカービー報道官は13日の記者会見で、今回の武器支援について「これから数週間のうちにウクライナ東部で想定される戦闘を支援するためだ」と述べた。ウクライナ側の要望を踏まえた措置だと訴えた。

追加で11機の旧ソ連製ヘリ「Mi17」を供給する。ウクライナはすでに5機を運用しているが、2月24日にロシアが侵攻して以降に米政府がMi17の供与を決めるのは初めて。カービー氏は新たに提供する兵器には防空レーダーや火砲などウクライナ軍への追加訓練が必要なものも含むと明らかにした。

自爆攻撃能力を持つ無人機「スイッチブレード」も追加で引き渡す。対戦車への攻撃などに効果的とみられる。米欧が警戒するロシアによる生物・化学兵器や核兵器の使用を見すえた装備品や防護服、探知機も送る。

これまで米欧は携行型の対戦車ミサイル「ジャベリン」や地対空ミサイル「スティンガー」のほか、燃料・弾薬などの支援にとどめてきた。ロシアを過度に刺激するのを避けたいとの判断があったが、ロシアがウクライナの首都キーウ(キエフ)周辺から撤退し部隊を東部などに再配置し始めたのを機に攻撃型の兵器の供与にシフトする。

ホワイトハウスは声明で「米国と同盟国・有志国が提供した武器のおかげでプーチン(ロシア大統領)はウクライナを支配するという当初の戦争目的に失敗した」と強調。支援を継続する方針を示した。

EUも13日、5億ユーロの追加軍事支援で合意した。すでにウクライナに10億ユーロの支援を表明している。EUの外相に当たるボレル外交安全保障上級代表は「今後数週間は重要な時期になる。ウクライナへの軍事支援を続け、強化することが領土や人々を守るために肝要だ」と述べた。

 

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