停戦協議「終わる恐れ」 ロシア・ウクライナ双方が非難

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Nikkei Online, 2022年4月30日 7:53更新

ウクライナの部隊が立てこもる南東部マリウポリの
製鉄所から上がる煙(29日)=ロイター

【イスタンブール=木寺もも子】ウクライナのゼレンスキー大統領は29日、ロシア軍の残虐な行為で国民感情が悪化しているとして、停戦協議が「終わる恐れが高い」との認識を示した。ロシアのラブロフ外相はウクライナ側が主張を変えるために協議が停滞していると非難した。

インタファクス・ウクライナによると、ゼレンスキー氏は多数の民間人遺体が見つかった首都キーウ(キエフ)近郊や南東部マリウポリの人道危機などに触れ、「人々は彼ら(ロシア軍)を殺したいと思っている。このような時に話をするのは難しい」と述べた。

ゼレンスキー氏は民間人の避難などに向け、対話を継続する考えは示した。「1人の人間がすべてを決めている」としてプーチン大統領との会談も希望した。

一方、ロシア通信は29日、停戦協議の行き詰まりはウクライナ側が「交渉をもてあそんでいるからだ」とするラブロフ氏の発言を伝えた。ラブロフ氏は、西側によるウクライナへの武器供給は攻撃対象になるとした上で、北大西洋条約機構(NATO)自体とは戦争状態にないとの認識も示した。

米国防総省のカービー報道官は29日、ウクライナ軍に対する米軍の訓練がドイツの基地など3カ所で既に始まっていると明らかにした。榴弾(りゅうだん)砲のほか、レーダーや装甲車の使い方などが含まれるという。米国はロシアによる侵攻以前からウクライナへの軍事訓練を行っていたが、今月中旬に榴弾砲などの追加軍事支援を発表し、そのための訓練も行うとしていた。

米ホワイトハウスのサキ報道官は29日、11月にインドネシアで開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議にプーチン氏が出席するのに反対する考えを改めて表明した。同氏を招待したインドネシアが同日、出席の意向を明らかにしていた。インドネシアはゼレンスキー氏も招待している。

 

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