Source: Nikkei Online, 2025年10月2日 6:43
【シリコンバレー=山田遼太郎、ソウル=松浦奈美】米オープンAIは1日、韓国のサムスン電子やSKハイニックスから、人工知能(AI)向けのデータセンターに使う半導体メモリー「DRAM」を調達すると発表した。米国など各地で進めるAIインフラ整備計画に両社の協力を得る。
オープンAIは対話型AI「Chat(チャット)GPT」の利用増を支えるため、世界各地にデータセンターを設ける計画を示している。データの短期記憶を担い、データセンター内のサーバーに欠かせないDRAMで世界シェアの計7割を握る韓国の2社と組んで安定供給を確保する。
オープンAIは基板に使うウエハーの直径を示していないが、将来的に月産90万枚のDRAMの調達が必要になるとみている。サムスンとSKハイニックスは増産で需要に応える。
AI向けでは特に、DRAMを積層して大容量のデータ処理を可能にした先端品「広帯域メモリー(HBM)」の需要が急増している。HBMは米エヌビディアが手掛ける画像処理半導体(GPU)に組み込んでサーバーに使われる。エヌビディア向けの供給ではSKハイニックスがサムスンに先行している。
オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO) は1日、韓国大統領府を訪れ李在明(イ・ジェミョン)大統領やサムスンの李在鎔(イ・ジェヨン)会長、SKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長と面会した。
サムスンとは洋上データセンターの共同開発、SKとは韓国西南部の大規模データセンター建設でも協業する。
韓国政府は米中に並ぶ「AI3大国家」に入ることを目標に掲げる。科学技術情報通信省が、公共事業へのAI導入やスタートアップの育成などでオープンAIと協力する。