2020/5/14 10:49 (2020/5/14 13:18更新)
緊急事態宣言について話し合う基本的対処方針
等諮問委員会(14日午前、東京・永田町)
政府は14日夜に対策本部を開き、新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言の対象から愛知県や福岡県などを含む計39県を外すと決める。同日午前の基本的対処方針等諮問委員会が政府案を評価した。緊急事態宣言の発令後、対象を解除するのは今回が初めてとなる。
医療機関でクラスター(感染者集団)が発生したと14日に発表した愛媛県は感染経路の調査を条件に解除する。対策本部に先立ち安倍晋三首相が記者会見し説明する。
解除対象は重点的な対策が必要な13の「特定警戒都道府県」のうち茨城、岐阜、愛知、石川、福岡の5県と、特定警戒ではない34県とした。
東京都や大阪府など特定警戒地域でも感染者数は減少傾向にあるが、医療提供体制が逼迫する恐れがある点などを考慮し指定を継続する。北海道のほか、東京都周辺の神奈川、埼玉、千葉各県と大阪府に隣接する京都府、兵庫県も特定警戒を維持する。
緊急事態宣言の期限は31日まで。政府は21日をメドに専門家の意見を踏まえ対象を再度見直す。
西村氏は諮問委で「地域の感染状況や医療提供体制の確保状況を踏まえつつ、感染症対策を徹底するのを前提に、段階的に社会経済の活動レベルを引き上げていく必要がある」と述べた。
政府は解除にあたり(1)感染状況(2)医療提供体制(3)感染の再拡大防止のための監視体制――の3つを踏まえ総合的に判断する。感染拡大する恐れが小さい地域を対象から外し、感染防止対策をとったうえで段階的に社会経済活動を再開させる。
これに先立ち専門家会議を開いた。具体的な解除条件に、直近1週間の新規感染者数が前の週を下回り、新規感染者数の合計が人口10万人あたり0.5人を下回るといった指標を示した。
医療提供体制では重症者数の減少や、患者の急増に対応できる体制を確保できているかを点検する。PCR検査を迅速に実施できる体制が整っているかも基準となる。
新型コロナに関する基本的対処方針も改定する。特定警戒地域への移動は自粛を呼びかける。宣言から外れた地域でも「密閉・密集・密接」の「3密」を避けるといった「新しい生活様式」の定着を促す。
いったん解除しても感染の再拡大の兆候がある地域は改めて指定する。直近の新規感染者数や、感染者数が倍になるまでの「倍加時間」などを踏まえて検討する。
首相は4月7日に緊急事態宣言を東京都など7都府県に発令し、16日に対象を全国に広げた。5月4日に当初6日までとした期限を31日まで延ばした。