Nikkei Online, 2020年12月19日 10:19更新
【ニューヨーク=野村優子】米政府は18日、米バイオ製薬モデルナが開発する新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を承認したと発表した。出荷作業などの準備は進んでおり、来週以降に接種が始まる見通しだ。モデルナのワクチンが承認されるのは世界初で、米製薬大手ファイザーと独ビオンテックのワクチンに続いて米国で2例目となる。
米食品医薬品局(FDA)は17日の諮問委員会で使用が支持されたことを受け、緊急使用の許可を求めたモデルナの申請を承認した。接種の対象は18歳以上となる。FDAは15日の報告書で「承認に求める基準を満たした」としていた。
モデルナのワクチンは承認から24時間以内に出荷され、週明け以降に医療機関などに到着後、順次接種が始まる予定。引き続き、医療従事者や介護施設の居住者に優先的に接種する。
まずは590万回分を、医療機関や接種場所など3200カ所超に供給。セ氏マイナス70度での保管が求められるファイザー製と異なり、モデルナ製はセ氏マイナス20度での保管が可能となる。
米政府はモデルナ製のワクチンを当初1億回分購入していたが、11日に同量を追加購入して計2億回分を確保した。ファイザー製と合わせて、2020年中に全体として4000万回分(2000万人分に相当)のワクチン接種を目指している。一般に接種が始まるのは21年2~3月の見通し。