Source: Nikkei Online, 2024年4月26日 8:00更新
【シリコンバレー=山田遼太郎】米マイクロソフトが25日発表した2024年1〜3月期決算は、売上高が前年同期比17%増の618億5800万ドル(約9兆5900億円)、純利益が20%増の219億3900万ドルだった。生成AI(人工知能)関連の需要を取り込んだクラウドコンピューティング事業が好調で5四半期連続の増収増益だった。
1株利益は2ドル94セントと市場予測を上回った。25日の米株式市場の時間外取引でマイクロソフト株は一時、同日終値から約6%上昇した。
クラウド基盤「Azure(アジュール)」などの売上高は前年同期比31%増だった。28%台の増収率を見込んでいた市場予測を上回った。同事業の伸び率は直近1年で最も高く、AIの普及に伴い企業がIT(情報技術)投資を活性化したのが鮮明だ。
特にAI関連の需要が増収率を7ポイント押し上げた。出資・提携する米オープンAIの「Chat(チャット)GPT」などの技術をクラウド経由で使う「アジュール・オープンAI・サービス」の提供が増えた。
同日の決算説明会でマイクロソフトのサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は大手企業の6割以上が同サービスを使っていると述べ「アジュールの大型案件が増え、1億ドル以上の契約が前年同期比で80%増えた」と説明した。
業務ソフト群「365」の売上高は15%増だった。AIの搭載を文書作成や表計算といったビジネスソフトに広げている。「コパイロット」と呼ぶAI支援機能を法人向けに月額30ドルの定額課金で提供し、単価の引き上げをはかっている。
ゲーム機「Xbox」のコンテンツやサービスの売上高は62%増えた。23年の米ゲーム大手アクティビジョン・ブリザードの買収が増収率を61ポイント押し上げ、増収分の大半を占めた。買収効果は全社の売上高を19億7000万ドル押し上げた。
4〜6月期の見通しについてエイミー・フッド最高財務責任者(CFO)はアジュールなどの増収率が30%程度になると説明した上で、「(AI関連の)需要が当社の供給能力を上回っている影響を受ける」と述べた。