1位「Python」年収700万円超え 
プログラミング言語利用実態調査

Nikkei Online, 2025年12月18日 5:00

(画像:Jamie/stock.adobe.com)

IT(情報技術)システムの開発において、適切なプログラミング言語の選定は重要だ。対応するライブラリーやフレームワーク、プラットフォームなどに違いがあり、それぞれの言語で実装しやすいシステムや機能がある。システム要件に応じて、適した言語を選ぶ必要がある。

このため、ITエンジニアは開発対象に適した言語を使いこなすスキルが求められる。では、テクノロジー専門メディア「日経クロステック」の読者はどのような言語を使用しているのか。これを調査するため、日経クロステックでは「プログラミング言語利用実態調査2025」と題したアンケートを実施した。調査期間は2025年9月25日〜10月24日。166人から回答を得た。

「現在使っているプログラミング言語は何ですか」という設問に対する回答の内訳。
最大で3つまで選択してもらった。
グラフには上位10言語を示した(出所:日経クロステック)

アンケートでは、現在使っている言語を3つまで挙げてもらった。その結果、第1位になったのは「Python(パイソン)」だった。回答者166人中、56.0%の93人が使っていた。

24年に実施した調査では、42.7%がPythonを使っていた。今回の調査では13.3ポイント増加し、第2位の言語に比べて約2.5倍の回答数を得ていた。
Pythonは主に人工知能(AI)の開発やデータ分析によく使われる。こうした用途の重要性が増した結果、Pythonを利用する人が増えたと考えられる。

第2位は「VBA」だった。回答者166人中、22.3%の37人が使っていた。前回の24年の調査でも第2位だった。VBAはExcel(エクセル)などで動作するマクロ言語で、データの前処理によく使われる。データ分析の需要拡大に伴い、分析に先立つデータ整形や加工といった作業が増えた結果、VBAの利用も広がったと考えられる。

第3位は「Java(ジャバ)」(35人)。Javaは企業の基幹システムやウェブシステムの開発で広く採用されており、引き続き利用が続いていると見られる。

学びたい言語でRustが2位に

開発するシステムによって、適しているプログラミング言語は異なる。このため、プログラマーは複数の言語を使い分けることが求められている。では、日経クロステックの読者は今後どのようなプログラミング言語に注目しているのだろうか。

アンケートでは、「今後、スキルアップしたいと思う言語はどれですか」という問いを設けた。スキルアップしたい言語は今後の利用が見込まれる言語でもある。

「今後スキルアップしたいと思う言語はどれですか」という設問に対する回答の内訳。
上位10言語を示した(出所:日経クロステック)

複数回答で選んでもらった結果、第1位はPythonだった。166人中、103人(62.0%)が今後のスキルアップを望んでいた。18年に開始した調査から8回連続で首位に立っている。

近年は生成AIを利用するシステムが急拡大している。今後もPythonのスキルアップを望むITエンジニアは増え続けていくと考えられる。

第2位は「Rust(ラスト)」だった。166人中、43人(25.9%)が今後のスキルアップを望んでいた。24年の調査では第4位だったが順位を上げた。Rustはメモリー安全性と高速性を両立したプログラミング言語で、低レイヤーのソフトウエア開発やウェブアプリケーションのバックエンド開発で注目されている。セキュリティーやパフォーマンスへの要求が高まる中、安全で高速なコードを書けるRustへの関心が高まっていると見られる。

不人気言語の1位は今回もCOBOL

Pythonのように大人気の言語がある一方で、ITエンジニアが利用したくないと考えている言語もある。アンケートでは、今後利用したくない言語を複数回答で選んでもらった。いわば、プログラミング言語の不人気ランキングだ。

「今後利用したくない言語はどれですか」という設問に対する回答の内訳。
上位10言語を示した(出所:日経クロステック)

第1位になったのは、18年から連続で不人気ランキングの首位になっている「COBOL(コボル)」だった。166人中、59人(35.5%)が使いたくないと回答した。

全職種平均よりも高い回答者の平均年収

利用しているプログラミング言語によって年収に違いがあるのか。これを探るため、アンケートでは100万円未満から1500万円以上までを100万円刻みで分けて年収を尋ねた。

その結果、「500万円〜600万円未満」と回答した人が26人で最も多く、第2位は「600万円〜700万円未満」(25人)、第3位は「400万円〜500万円未満」(24人)だった。回答者166人の平均年収は663.2万円だった。

「あなたの税込み年収をお答えください」という設問に対する回答(出所:日経クロステック)

国税庁の民間給与実態統計調査によると、令和6年(2024年)の1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円である。今回実施したアンケートの回答者の平均給与は、全職種を対象とした給与所得者の平均額よりも約190万円高かった。

Pythonを主に使う回答者の年収が最も高い

年収を回答した166人のうち、10人以上がメインに使っていると回答したプログラミング言語を抽出して平均年収を集計した。いわばプログラミング言語別の年収ランキングである。

プログラミング言語別の平均年収。かっこ内は回答者数(出所:日経クロステック)

最も平均年収が高かったのは「Python」をメインに使っている回答者で、その額は747.4万円だった。Pythonは利用者数が多いだけでなく、平均年収も高いという結果になった。AIシステムの開発やデータ分析といった企業が注力する分野で需要が高いことが、高年収につながっていると考えられる。

回答者が2人と少ないため参考値だが、Rustユーザーの年収も高い。1人は「1000万〜1100万円」、もう1人は「1500万円以上」だった。Rustは習得が難しい一方で、メモリー安全性と高速性を両立した高度な言語である。使いこなせる技術者が限られているため、希少性が高年収につながっていると推測される。スキルアップしたい言語として注目を集めているのも納得できる。

調査概要
「プログラミング言語利用実態調査2025」という名称で、ウェブサイトによるアンケート形式で実施した。調査期間は2025年9月25日〜10月24日。システムエンジニア(SE)やプログラマー、研究開発、ITアーキテクトなど、ITにまつわる仕事をしている166人から有効回答を得た。
 回答者の年齢は、20代以下が9.6%、30代が9.0%、40代が18.1%、50代が37.3%、60代以上が25.9%。
 職種は、経営層が4.8%、コンサルタントが4.2%、プロジェクトマネジャーが5.4%、ITアーキテクトが6.6%、
 SEが24.1%、プログラマーが13.3%、システム運用/サポートが2.4%、研究開発が12.7%、
 社内SE(システム部門)が9.6%、その他が16.9%。
数字は四捨五入により100%にはならない。

(日経BP AI・データラボ/日経クロステック 横山皓大)

[日経クロステック 2025年11月18日付の記事を再構成]

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