故・谷村新司さんは中国では“国賓級”歌手
中国人から愛された理由と仰天エピソード

 谷村新司(享年74)さんの訃報は、日本以上に中国で、深い悲しみをもって広がっている。中国でも速報が流れ、中国版SNS・ウェイボーの検索ランキングには谷村さんの名が2位に急浮上。中国外務省の毛寧副報道局長が16日の定例会見で「音楽を使って両国人民による心の交流の橋を懸け、実際の行動で中日友好事業に貢献した」と哀悼の意を述べた。

■ 上海音楽学院の教授に就任

谷村さんは81年にアリスとして北京でコンサートを開催。鄧小平氏など中国共産党幹部の前で披露して以来、度々訪中。04年には上海音楽学院の教授に就任するなど、後進の育成にも尽力していた。中国人ジャーナリストの周来友氏がこう言う。

「谷村さんは親中派の歌手で一番の大物。レッドカーペットが敷かれるくらいの『国賓クラス』です。上海で教授として頻繁に訪中していたこともあり、中国人に非常に愛されています。中国人はスケールの大きな音楽が好きで、『昴』の雄大な大陸を思わせるような楽曲はどの年代の人々にも好まれ、カラオケでは中国語歌詞だけでなく、あえて日本語で歌う人も多い。まさに“国民的歌手”です」

 さらにこんなエピソードも。

「以前『24時間テレビ』で、谷村さんから『24時間テレビ』の生放送中に、中国の人民大会堂で『昴』を歌いたい、と打診がありました。24時間テレビに政治色がつくのはよろしくないであろうということと、撮影クルーを派遣する制作費が出せないということで流れましたが、そんな人民大会堂という中国で一番のホールを押さえられるくらいの力のある方だと驚かされました」(テレビ局関係者)

 日中関係の不安定な今こそ、日本政府も谷村さんの「音楽のチカラ」を借りたかったのではないだろうか。


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