9月の実質賃金2.4%減 18カ月連続でマイナス

物価高の勢いに賃金上昇が追いつかない状況が続いている

厚生労働省が7日発表した9月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によると、1人当たりの賃金は物価を考慮した実質で前年同月比2.4%減った。マイナスは18カ月連続となる。物価高の勢いに賃金上昇が追いつかない状況が続いている。

実質賃金のマイナス幅は前月の2.8%からはやや縮小したが、なお2%台だ。実質賃金を算出する指標となる物価(持ち家の家賃換算分を除く)は3%台の上昇が続いており、賃金が目減りする状態にある。

足元では名目賃金は緩やかに増えている。1人当たりの現金給与総額は前年同月比1.2%増の27万9304円だった。プラスは2022年1月から21カ月連続となる。

現金給与総額のうち、基本給にあたる所定内給与は1.5%増で、5カ月連続で1%台になった。賃上げ効果が一定程度反映されている可能性がある。

就業形態別にみると、正社員ら一般労働者は1.6%増の36万3444円、パートタイム労働者は1.9%増の10万2135円だった。

業種別では不動産・物品賃貸業が6.5%増となったほか、金融業・保険業も5.8%増と比較的高い伸びを示した。

総実労働時間は0.3%減の136.8時間だった。就業形態別では一般労働者が0.4%増の164.1時間、パートタイム労働者が1.4%減の79.2時間だった。

同時に公表した23年の夏季賞与は、支給した事業所の1人当たり平均が前年比2.0%増の39万7129円だった。賞与を出した事業所の割合は65.9%で前年からわずかに下がった。


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