海保機、副機長も管制指示誤認か 「相互確認」機能せず

焼け焦げた海上保安庁の航空機を調べる関係者(4日、羽田空港)

羽田空港で日本航空機と海上保安庁の航空機が衝突した事故で、海保機の機長だけでなく副機長も管制官の指示を聞いていたことが6日、海保関係者への取材で分かった。指示は滑走路手前まで移動する内容で、滑走路の進入許可ではなかった。2人とも指示を誤認するなどして、日航機が着陸する滑走路に進入した可能性がある。

運輸安全委員会は同日から管制官への聞き取りを始め、日航機のボイスレコーダーも回収した。

当時、海保機には6人が乗っており、機長以外の5人が死亡した。

海保関係者によると、安全な離着陸のため空港の管制指示を、機長と副機長の2人が同時に聞く運用をしている。指示内容を相互確認し、機長の認識が誤っている疑いがある場合は副機長が再確認を促す。副機長は機長の認識を修正できなかったとみられる。

相互確認は「クルー・リソース・マネジメント」(CRM)と呼ばれる利用可能な全ての人的資源を安全管理に活用する考えに基づく。1977年にスペインの空港で583人が死亡した事故の要因として、機関士が機長への意見をためらったことが指摘され、航空分野で確立した。運輸安全委はCRMが機能しなかったとみて経緯を調べる。


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