ファミマ、1キロ400円で備蓄米販売 ロピアやLINEヤフーも申請

東京都新宿区にあるファミマの店舗

ファミリーマートは政府備蓄米の随意契約に申し込んだ。全国の店舗で備蓄米を取り扱えるようにする。食品スーパーでは「ロピア」を運営するOICグループ(川崎市)やオーケー(横浜市)などが随意契約を申請した。コメの安定供給に向けた小売業者の動きが広がってきた。

ファミマは3000トンを仕入れられるよう求める。1キログラム400円(税抜き)とし、全国の店舗でパックにして取り扱う。6月上旬にも店頭に並ぶとみられる。セブン-イレブン・ジャパンとローソンも備蓄米販売を始める意向だ。

食品スーパーではイオンが27日、随意契約に申し込んだと発表した。約2万トンを調達し、6月初旬から全国のイオン店舗で順次販売する。価格は約2000円を見込む。

イトーヨーカ堂は6月以降、イトーヨーカドーとヨークフーズなどのブランドで展開する全197店で備蓄米を販売する。同社が各地に持つ工場で精米し、ヨーカ堂の取引先が袋詰めにして店舗に運ぶ。価格は5キログラムで税別2000円を基準とする。全地域で同じ値段にする。

ディスカウント店「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)も随意契約に申し込んだ。1万5000トンを仕入れる。まずは都内の一部店舗で早ければ週明けにも2000円程度で発売し、順次販売店舗を広げていく。

首都圏地盤のオーケー(横浜市)は精米工場に精米を委託し、5キログラム2000円台で販売することを目指す。二宮涼太郎社長は「コメは品薄感が続いている」と指摘し、備蓄米の取り扱いで「供給量が増え、お客様の安心感につながる」と話した。

エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)は1200トン分の随意契約に申し込んだ。調達できれば傘下の食品スーパー「阪急オアシス」「イズミヤ」「関西スーパー」の各店舗で販売する。H2Oは2026年3月期に傘下の食品スーパーで販売するコメの想定量に対して1200トン分が不足している。備蓄米を確保して補う考えだ。

ロピアを運営するOICやヤオコーも随意契約に申し込んだ。販売方法や価格は今後詰める。

倉庫から搬出される政府備蓄米(3月、埼玉県内)=一部画像処理しています

食品スーパー以外の企業も動く。ホームセンター大手のカインズは5000トン分の随意契約に申し込んだ。店頭価格は5キログラム2000円(税抜き)を目指し、集客の柱の一つにする。販売する店舗のほか、精米やコメの輸送方法については今後詰める。

サンドラッグは全国チェーンのドラッグストアと、関東や西日本で展開するディスカウントストア「ダイレックス」のあわせて約900店で備蓄米を販売する。店頭価格は政府が目指す5キロ2000円(税抜き)とする。販売の開始時期は未定としている。

LINEヤフーは1万トンの随意契約を申し込んだ。最短6月上旬に傘下の電子商取引(EC)サイト「Yahoo!ショッピング」上で販売する。配送には出資するオフィス用品EC大手のアスクルの物流網を活用する。

グループ傘下のLINEやスマホ決済のPayPayからも購入ページに誘導し、予約販売の方式を採用する。一部のユーザーによる買い占めを防止する対策も講じる。同社は「需要に応じて追加販売も検討する」という。

農林水産省は26日、大手小売業を対象に備蓄米に関する説明会をオンラインで開いた。PPIHや大手スーパーのライフコーポレーション、LINEヤフーも参加した。

コメの平均店頭価格(5キログラム)は4000円を超える水準で推移する。農水省は随意契約する備蓄米については従来の入札方式に比べ売り渡し価格をほぼ半分に引き下げる。輸送費は国が負担し、店頭価格を5キロ2000円程度とする目標を掲げている。


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