備蓄米の随意契約、受け付け再開 第2弾は中小業者も参加可能

備蓄米を試食する小泉農相(左)と袋詰めされた備蓄米

農林水産省は30日、政府備蓄米を売り渡す随意契約の受け付けを再開した。売り渡し予定の2021年産米の価格は60キログラムあたり税抜き1万80円で、店頭価格は5キロ1800円ほどを見込む。要件が緩和され、中小の小売業者などが参加可能になった。

27日に休止した随意契約の第2弾となる。今回はコメの年間取扱量が1000トン以上1万トン未満の小売りと精米できる米穀店が対象で、小売りに6万トン、米穀店に2万トンの枠を設ける。

小泉進次郎農相は30日の閣議後の記者会見で「できる限り広く多くの方に備蓄米が届くように新たな随意契約を始める」と述べた。29日の事業者向けオンライン説明会には1020社が参加しており、農水省は30日も2回目の説明会を開催する。

契約上限は1業者あたり1000トンとし、複数業者の共同購入も可能とする。1回の最低引渡量は原則10トンか12トンとなる。

25年産が出回る前の8月までに消費者に販売することを条件とする。国による買い戻し要件は付けず、全国の保管倉庫から契約業者が指定する場所までの輸送費は国が負担する。

申し込みは平日の午前10時から午後5時にメールで受け付ける。先着順。時間外の申し込みは翌営業日の午前10時として扱う。

第1弾ではファミリーマートやセブン―イレブン・ジャパン、ローソンなどの申請が受理されなかった。小泉氏は今後について「状況をみて柔軟に対応したい」と述べた。各社は年間取扱量が1万トン以上との要件を満たさなかったり、締め切られたりした。ファミマとセブン、ローソンは30日に再申請した。


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3月入札の備蓄米、流通2割どまり 中小との随意契約で改善急ぐ

Nikkei Online, 2025年5月30日 17:40

農林水産省は30日、政府備蓄米の随意契約での申し込みを再開した。今回は中小小売業者や米穀店に直接売り渡す。同日発表した3月入札分の小売業者などへの出回り量は11日時点で2割にとどまる。集荷業者や卸売業者を介さないことで店頭の需給改善を狙う。物流の確保がカギになる。

「大手小売りではカバーできない隅々まで広く備蓄米が届くようにする」。小泉進次郎農相は30日の閣議後の記者会見で述べた。今回はコメの年間取扱量が1000トン以上1万トン未満の小売りと精米できる米穀店が対象だ。27日に休止した第1弾の随意契約では年間1万トン以上の大手が対象だった。

小泉氏が農相に就任する前に放出した備蓄米はなかなか店頭に届かない。1、2回目の放出分のうち小売・中食・外食事業者に渡ったのは11日時点で20%。放出分の94%を落札した全国農業協同組合連合会(JA全農)が29日時点で落札分のうち卸に出荷したのは62%だった。12日から引き渡しが始まった3回目の放出分は2%の出荷率にとどまった。

中小への売り渡しは大手向けよりも届け先が増えるため、物流の確保が焦点になる。中野洋昌国土交通相は30日「備蓄米物流支援室」を設置すると表明した。随意契約の備蓄米の物流が滞っているとの情報が農水省から寄せられた際に、トラックや倉庫などの業界団体と連携して輸送の手配を支援する。

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