Nikkei Online, 2026年2月9日 18:15
衆院選は8日投開票され、全議席が確定した。自民党が316議席を確保し、単独で定数の3分の2にあたる310議席を超えた。ひとつの政党が得た議席数としては戦後最多。歴史的な圧勝になった。立憲民主党と公明党が結成した「中道改革連合」は公示前の167議席から半数以下に大幅に減らして惨敗した。
衆院選は小選挙区289、比例代表176(全国11ブロック)の計465議席を争った。公示前は自民が198、日本維新の会が34の計232議席を持っていた。結果、小選挙区は自民が248、維新が20、国民民主が8、中道が7、減税日本・ゆうこく連合が1、無所属が5だった。
単独で衆院の3分の2の議席を得るのは戦後初めて。政権交代が起きた2009年の衆院選で民主党が得た308議席や64.2%の議席占有率の記録を上回った。自民の過去最多は1986年の300議席だった。
参院では与党が過半数を持たない状況は変わらない。衆院で3分の2以上の議席を得たことで、参院で否決された法案を再可決して成立させられる。高市早苗政権の政策を進めやすくなる。
憲法改正の議論も主導しやすくなる。国会が改憲案を発議するのは衆参で3分の2以上の議決が要件になっている。
自民は当選確実となった無所属の斉木武志氏(福井2区)を追加公認した。これも含め1都30県の小選挙区で議席の独占が確実になった。比例は前回24年衆院選の59議席を上回った。
高市首相の高い支持率が追い風になった。2月中旬に召集する特別国会で改めて首相に指名され、第2次内閣を発足させる。
首相は8日のテレビ東京の番組で、自民が公約した消費税率の「食料品に限り2年間ゼロ」について説明した。超党派の「国民会議」を立ち上げて議論を加速すると述べた。
円安が進む外国為替市場を念頭に「為替変動にも強い経済構造をつくり、日本でいろいろなものを調達していく環境をつくるのは非常に大事な取り組みだ」と強調した。
「財政の持続可能性は大切にしながら、メリハリをつけて必要な投資をしっかりとしていく。強い経済をつくる」と訴えた。
中道は立民出身の幹部が相次ぎ落選した。安住淳共同幹事長や岡田克也元外相、小沢一郎元民主党代表、枝野幸男元立民代表らが議席を失った。
比例名簿の上位には公明党出身者を載せている。小選挙区で敗れて比例復活する枠が限られた。
野田佳彦共同代表は9日未明の記者会見で「痛恨の極みだ。濃厚な論争が展開できればよかったが、そうした機会を失した」と話した。
連立与党の維新は単独でみると、公示前の34議席から伸び悩んだ。本拠地である大阪では全19小選挙区のうち17を制したが、その他の地域では支持の広がりが乏しい。
国民民主党は公示前27議席からおおむね横ばいの勢いとなった。秋田や茨城、愛知、香川、長崎など8つの小選挙区で当選を確実にした。
参政党は公示前2議席から伸長し、2桁の議席を得る。チームみらいは初めての議席を確保し、少なくとも比例で8人が当選する。
共産党は公示前の8議席を下回る見通し。れいわ新選組は公示前8から減らし1議席死守をめざす。
首相は1月23日の通常国会冒頭で衆院を解散した。「与党で過半数」を勝敗ラインに位置づけた。「責任ある積極財政」の是非や自民と維新の新たな連立政権への信を問うた。