Nikkei Online, 2026年2月20日 14:55

高市早苗首相は20日午後、衆院本会議で施政方針演説に臨んだ。食料品を対象にした2年間の消費税減税に関し、超党派の「国民会議」で検討を加速すると表明した。「野党の協力が得られれば、夏前には中間とりまとめを行い、税制改正関連法案の早期提出をめざす」と訴えた。
税・社会保険料の負担、物価高に苦しむ中・低所得者対策となる「給付付き税額控除」の制度設計に着手する。消費税減税は同制度導入までのつなぎの措置との位置づけだ。財源は特例公債(赤字国債)に頼らない。

首相は衆院選の勝利を踏まえ「様々な声に耳を傾け、謙虚に、しかし大胆に政権運営にあたっていく」と強調した。
本丸として「責任ある積極財政」を据える。「世界が産業政策の大競争時代にあるなか、経済成長を実現するために必要な財政出動をためらうべきではない」と唱えた。
複数年度予算や長期的な基金による投資促進策を提起した。危機管理・成長投資について、多年度で別枠管理する仕組みを導入すると打ち出した。投資を上回るリターンを通じて国内総生産(GDP)の成長に資すると主張した。
官民連携による投資促進のための「日本成長戦略」を夏にまとめ「GDPの伸びや税収増への寄与を見通せるようにする」と明言した。3月から量子や創薬などの戦略17分野を巡る官民投資ロードマップ(行程表)を提示していく方針を示した。
財政規律に注目する市場に配慮する姿勢もみせた。「財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していく。そのための具体的な指標を明確化する」と言明した。
首相はかねて、政府債務残高のGDP比を安定的に引き下げ、財政の持続可能性を確保するとの考えをもつ。
働き方改革は「裁量労働制の見直し、副業・兼業にあたっての健康確保措置の導入、テレワークなどの柔軟な働き方の拡大を進める」と提唱した。18日の第2次内閣発足の際、関係閣僚に「多様な働き方を踏まえたルール整備」を進めるよう指示した。
外交・安全保障政策は安倍晋三元首相の「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を継承・発展させる意思を示した。「平和と繁栄を創る『責任ある日本外交』を展開していく」と主張した。
対中国外交は「戦略的互恵関係を包括的に推進し、建設的かつ安定的な関係を構築していくことが高市内閣の一貫した方針だ」と掲げた。「意思疎通を継続しながら、国益の観点から冷静かつ適切に対応していく」とも話した。
2026年中の安全保障関連3文書改定、インテリジェンス(情報収集・分析)機能の強化にも取り組む。スパイ防止法を念頭に「外国からの不当な干渉を防止するための制度設計を進める」と触れた。
自民党と日本維新の会の連立与党は衆院で憲法改正の発議に必要な3分の2以上の議席を占める。「国会における発議が早期に実現されることを期待する」と言及した。