Nikkei Online, 2023年5月21日 19:59更新
ウクライナのゼレンスキー大統領は21日、広島市の平和記念公園にある国際会議場で演説し「原爆資料館でみた被爆後の広島の様子が、被害を受けたウクライナの街々の様子と重なった」と話した。
ウクライナ東部の要衝バフムトで激しい戦闘が続いてきた。ゼレンスキー氏は「破壊された広島の写真がバフムトに似ている。何も生きているものがない。全ての建物が破壊されている」と語った。
それでも「いまの広島は再建した。ウクライナの街並みも早く再建できることを夢見ている」と語った。「広島の原爆(が落とされた際の)の街といまの街を比較できた。バフムトも将来、このような再建が必ずあるということだ」と断言した。
戦時下の大統領として主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)に対面で参加した理由について「これだけの注目がウクライナに集まるのであれば出席しなければいけないと思った」と説明した。
ウクライナの侵攻開始から1年以上たつが、終結のメドはたたない。ゼレンスキー氏は「世界から戦争をなくさないといけない。ロシアが最後の攻撃国にならないといけない」と述べた。
「ロシアへの勝利と平和が夢だ」と述べ、戦闘継続に向けた支援を呼びかけた。
ゼレンスキー氏は主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)に参加するために20日来日し、これまでにバイデン米大統領やスナク英首相、岸田文雄首相などと会談した。