大分空港(大分県国東市)と大分市を約35分で結ぶホーバークラフトの空港ルートの運航が26日、始まった。ホーバーの営業運航は国内唯一で、空港ルートは2009年の廃止から16年ぶりに復活した。
運航会社の大分第一ホーバードライブ(大分市)はタクシー大手の第一交通産業の子会社。昨年11月から休日の別府湾周遊事業を始めているが、空港ルートは訓練中に事故が相次いだことが影響し、運航開始が遅れていた。
空港ルートは1日4往復、計8便運航する。片道運賃はオンラインの事前決済で中学生以上が2000円、3歳〜小学生は1000円。
26日午前7時前、定員満席の80人が乗った第1便が大分市のターミナルから空港に向けて出航した。乗客の40代男性は「空港に車で行く場合のガソリン代や駐車場代を考えるとホーバーの方が割安と思う」と話した。
ホーバーの空港ルートは大分空港開港の1971年に始まったが、利用者が低迷して2009年に廃止となった。高速バスで1時間以上かかる空港へのアクセスを改善するため、大分県が20年に「上下分離方式」による復活を表明した。
船体取得やターミナル整備などの費用を県が負担し、ホーバーの運航は民間事業者が担うことになり、県は第一交通産業と協定を結んだ。
空港ルートの就航に合わせ、大分市のターミナルとJR大分駅を11分で結ぶ無料シャトルバスが約3カ月間運行する。県がバス会社に委託して実証運行する。