大学イメージランキング、北大が連続首位 2位に京大


北大の「新渡戸カレッジ」はグループワークを通じて
リーダーシップや協調性を身につける

日本経済新聞社と就職・転職支援の日経HRは大学イメージ調査を実施した。上場企業と一部の有力未上場企業の人事担当者に、採用した学生から見た大学のイメージなどを聞いた。

総合ランキングで首位に北海道大学、2位に京都大学が入り、上位9校を国立大が占める結果となった。
採用を増やしたい大学では、理工系の大学が上位に入り、企業の理工系人材の獲得意欲が強まっている。

調査は各大学の学生のイメージについて「行動力」「対人力」「知力・学力」「独創性」の4つの項目で評価した。総合ランキング首位の北大は「対人力」で1位となったほか、「行動力」で2位など、すべての項目が5位以内に入った。

北大は昨年の調査に続き2年連続の首位となった。企業からは「柔軟性があり適応力が高い。どこに配属されても期待以上のアウトプットを出してくれる」(電機)や、「一般教養があり、地頭が良い傾向にある」(医薬品)、「論理的思考力が高い」(商社)といった声があがった。

北大は国際社会で幅広く活躍できる人材の育成に力を入れている。特別プログラム「新渡戸カレッジ」では、海外留学やフィールドワークなどの体験を通じて、リーダーシップや協調性を身につけていく。企業からはグローバル人材の育成への期待も高まっている。

総合2位は京大、3位は東北大学だった。京大は「知力・学力」で1位、「独創性」で2位となった。企業からは「自らの興味に対して徹底的に探求する力がある」(機械)、「独自性に富んだ発想力がある」(化学)など、高い思考力や独創性を評価する声が多かった。

東北大は「独創性」で1位だった。企業からは「コミュニケーション能力が高く、専門性も優れている」(鉄鋼)、「リーダーシップがあり主体性が高い」(機械)などの声があり、「対人力」では2位に入った。

総合トップ10のうち9校を国立大が占めた。私立大では9位の早稲田大学が最高位で、次が18位の慶応義塾大学だった。早大は「行動力」で5位、慶大は「対人力」で9位に入った。

採用を増やしたい大学ランキングの1位は一橋大学だった。企業からは「ビジネスに必要な素養を備えている学生が多い」(金融)など、即戦力として期待する声があった。2位は弘前大学、3位は大阪電気通信大学が入った。

5位に福岡工業大学、8位に名古屋工業大学が入り、トップ10には理工系の大学が目立った。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)などが進むなか、エンジニア採用に力を入れる企業が増えており、理工系人材の採用競争は年々厳しさを増している。優秀な理工系人材を輩出する大学への注目度がより高まっているといえる。


注目している大学ランキングでは、昨年の調査に引き続き国際教養大学が1位となった。国際教養大は全ての授業を英語で実施し、外国人留学生との寮生活など、日常生活で英語力を高める教育環境を整えている。企業からは「語学はもちろんのこと、主体的に学ぶ環境で育まれた学生に興味がある」(小売り)など、国際色豊かな環境への評価が高かった。

調査の詳細は2日発売のムック「価値ある大学2022年版」(日経HR)でまとめています。

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調査概要

 全上場企業と一部有力未上場企業4850社に、2019年4月~21年3月の2年間で新卒社員として採用実績のある大学を人数の多い順位10校まで挙げてもらった。2年間の入社人数と、各大学の「学生のイメージ」と「大学の取り組みへのイメージ」の2つを聞いた。調査は日経リサーチを通じて21年2月15日~3月22日に実施した。有効回答数は834社だった。
ランキングの集計方法 学生のイメージ12項目、大学の取り組みへのイメージ7項目について、採用実績のある大学がイメージに合うのか6段階で評価してもらった。得点は非常に当てはまる10点、当てはまる8点、やや当てはまる6点、あまり当てはまらない4点、当てはまらない2点、全く当てはまらない0点として集計した。学生イメージの集計では、項目ごとに獲得した点数に対して、2年間の入社人数を重みとした加重平均値を「得点」として算出。全項目を「行動力」「対人力」「知力・学力」「独創性」の4つの側面に分けて、それぞれの平均値を出した。総合ランキングはこの4つの得点を単純合算した。大学の取り組みへのイメージも同様に加重平均値を「得点」とした。
ランキングの対象 調査対象企業から名前が挙がった件数を大学ごとに合計し、その件数が一定水準以上に達した大学を対象とした。

 

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