日本の対米投融資「第1弾」、ガス発電など5.5兆円決定
 トランプ氏発表

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Nikkei Online, 2026年2月18日 8:16更新

大統領専用機内で記者団の取材に応じるトランプ米大統領=AP

【ワシントン=八十島綾平】トランプ米大統領は17日、5500億ドル(約84兆円)の対米投融資の第1弾のプロジェクトを決定したと発表した。第1弾は米中西部オハイオ州でのガス火力発電事業など3つのプロジェクトで構成する。ラトニック米商務長官によると事業規模は360億ドル(5.5兆円)となる。

同日午後にトランプ氏が自身のSNSで公表した。具体的な企業名は明記しなかったが、オハイオ州のガス発電施設と南部テキサス州での原油積み出し港の整備、南部ジョージア州の人工ダイヤモンド製造の関連施設開発の3つを選定した。

ラトニック氏によると、オハイオ州のガス火力発電は9.2ギガワット規模で米国内最大規模となる。テキサス州の原油積み出し港は、年間200億〜300億ドル規模の原油を取り扱う見込みという。

ジョージア州の人工ダイヤの製造施設は米国内の需要すべてをまかなうことを目指す。

トランプ氏は投稿で「これらのプロジェクトの規模はとても大きく、関税なしには実現しえなかったものだ」と記し、トランプ関税の成果だと強調した。

日米両政府はこれまでの協議では①ソフトバンクグループが主体の人工知能(AI)データセンター向けのガス発電事業、②港湾施設の米マックスエナジーなどによるテキサス州やルイジアナ州の原油積み出し港の整備、③ダイヤ流通世界最大手のデ・ビアスグループなどによる人工ダイヤモンドの製造施設――を検討していた。

日米両政府は3事業に投資する特別目的事業体(SPV)をつくり、日本からは国際協力銀行(JBIC)が資金を拠出するほか日本貿易保険(NEXI)の融資保証を得たうえで邦銀も融資する。米国は用地などを現物出資する。

日本は2025年夏、相互関税や自動車関税などの「トランプ関税」を下げることと引き換えに、29年までの3年間で5500億ドルの対米投融資を実行することを米国に約束した。

米ハドソン研究所ジャパンチェアー副部長のウィリアム・チョウ氏は「第1弾のプロジェクトは順調に進むだろう。日米は選定にあたり、産業面の需要があることと実現可能な事業であることを重視してきた」とみる。

第1弾の案件の選定を巡っては、赤沢亮正経済産業相が12日に訪米して米商務省でラトニック氏と会談していた。案件選定は、日米の事務レベル担当者が協議する「協議委員会」などでの議論を経て、トランプ氏が最終承認する仕組みとなっている。

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