Nikkei Online, 2022年5月27日 15:42
インドネシアのジョコ大統領は27日午後、第27回国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)でオンライン講演した。ロシアのウクライナ侵攻が「新たな段階の地政学リスクをもたらしている」と指摘。緊張の高まりに伴い世界経済の停滞は不可避との認識を示し、20カ国・地域(G20)などは景気回復のため結束すべきだと訴えた。
ジョコ氏は、新型コロナウイルス禍など現在の世界が直面している諸課題は「ロシアとウクライナの紛争ですべてが悪化している」と語った。サプライチェーン(供給網)の混乱や物価高で「世界的な景気低迷は避けられない」と述べ、景気悪化を食い止めるために人材育成などの必要性を指摘した。
アジアは「世界の安定、平和、繁栄のために触媒とエンジンとしての役割を果たし続けなければならない」とも強調した。インドネシアは2022年のG20議長国を務める。「G20が世界経済回復の触媒になることを目指したい」とも話した。
G20では「保健部門の強化」や「再生エネルギーへの転換」「デジタル経済」の3つを主要議題に据える考えを改めて示した。1月に発効した東アジアの地域的な包括的経済連携(RCEP)に触れ「今後5年間で地域貿易を10%増やす可能性を秘めている」と語った。インドネシアは国内の批准を済ませておらず、作業を急いでいる。