トランプ氏、イラン新指導者
「現体制からが適切」 穏健な人物なら

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Nikkei Online, 2026年3月4日 9:10更新

トランプ米大統領(3日)=AP

【ワシントン=飛田臨太郎】トランプ米大統領は3日、イランの新しい指導者は現体制内から選ぶのが適切だとの考えを表明した。「内部から適任者を選ぶのが良い」と語った。具体的な人物名はあげずに「より穏健な人物がいる」と触れた。

1月のベネズエラ攻撃では反米のマドゥロ大統領を拘束後、副大統領を務めていたロドリゲス暫定大統領と良好な関係を保つ。トランプ氏はベネズエラを例に挙げて現体制派が継続すれば、混乱を最小限にできる利点を説いた。

トランプ氏は2月28日にイランの最高指導者ハメネイ師の殺害を受けて、意中の後継候補者が「いる。非常にいい考えがある」と話していた。3日には「想定していた人物の大半が死亡した」と明かした。

「別のグループもいるが、報告によれば彼らも死亡している可能性がある。第三の選択肢が必要になる」と触れた。トランプ政権は現時点で、対話可能な意中の後継候補者を特定できていない可能性が高いとみられる。

「最悪のシナリオは前任者と同じぐらい悪い人物が権力を掌握することだ。我々はイラン国民のために国を立て直す人物が政権を握るのを望む」と強調した。

「5年後に振り返ったとき、自分たちが据えた人物が以前と何ら変わらなかったと分かるかもしれない」と続けた。イランに新たな指導部ができても、米国にとってこれまでと変わらず問題が続く可能性があるのを認めた形だ。

トランプ氏は2000年代のイラク侵攻後の米政府の対応は、旧体制を一新したことで失敗したと唱えた。「愚かにも軍も警察も消防も政府職員も一掃した。それによって(過激派組織の)イスラム国が生まれた。彼らの源流は消防関係者だった」と主張した。

米紙ニューヨーク・タイムズによると、ホワイトハウス内には、米国に柔軟な姿勢を持つイラン革命防衛隊の一派が権力を掌握する可能性に期待がある。この一派はトランプ政権が経済活動に干渉しなければ、米国に融和的になる余地があるとみる。

トランプ氏はイランの現体制が早期に米側の要求に応じるよう圧力を強めた。「(まもなく)大規模な攻撃が始まる。もはや防空能力はなく、彼らはこれから甚大な損害を被るだろう」と述べた。

イラン国民に向けて「抗議活動に出るなら、今は控えるべきだ。外は極めて危険で、多くの爆弾が投下される」と語った。「イランは海軍も空軍も壊滅した。航空警戒能力も失った。レーダー網も破壊され、ほぼ全ての軍事能力が失われている」と言及した。

トランプ氏の発言がぶれることから、トランプ政権は出口戦略を明確には描けていないとの疑念も浮上する。トランプ氏は攻撃開始直後にイラン国民に「立ち上がり、政府を掌握せよ」と呼びかけていた。

イランの現体制を転覆させるシナリオを選ぶ可能性もある。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは3日、トランプ氏がイランの現体制を打倒する意思のあるイラン国内のグループを支援する意向を示していると報じた。クルド人勢力と接触を続けている。

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