ハマスがロケット弾数千発 イスラエル首相「戦争状態」

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Source: Nikkei Online, 2023年10月7日 15:20

【イスタンブール=木寺もも子】パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスは7日朝(日本時間同日正午ごろ)、イスラエルに対する大規模作戦を開始した。多数のロケット弾を発射し、戦闘員を侵入させた。同国軍はガザへの空爆など反撃に着手、ネタニヤフ首相は「戦争状態にあり、勝利する」と述べた。

ハマスの司令官は声明で、作戦開始からの20分間で5000発のロケット弾を打ち込んだと主張した。イスラエル側は2000発以上としている。同国メディアによると、中部テルアビブやエルサレムなど広い範囲で被害があり、20人以上が死亡、500人以上が負傷した。

戦闘員の大規模な侵入、ロケット弾の発射規模共に異例で複数のイスラエル人が人質に取られているとの情報もある。

ロケット攻撃の後、住民を避難させるイスラエルの警察官(イスラエルのアシュケロン)=AP

イスラエルは臨戦態勢を宣言し、予備役の招集を決めた。ネタニヤフ氏は動画メッセージを公開し「敵はこれまで知らなかったような代償を支払うことになる」と報復姿勢を強調した。

ガラント国防相はハマスの行動について「重大な過ちを犯した。イスラエル軍は全ての侵入地点で敵と戦っている」と説明した。イスラエルでは7日はユダヤ教の連休中だった。

7日、パレスチナ自治区ガザからイスラエルに向け発射されたロケット弾=ロイター

イスラエルは近年、パレスチナ問題を巡って対立していた周辺アラブ諸国との関係改善を進めていた。2020年にアラブ首長国連邦(UAE)などと国交を正常化し、地域大国サウジアラビアとも交渉している。パレスチナ側には取り残されているとの焦りがある。

ハマスは声明で「銃を取れ。今がその時だ」などとして、アラブ人やイスラム教徒に呼びかけた。イスラエルと対立する過激派「イスラム聖戦」はハマスとの共闘を表明した。

欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表はX(旧ツイッター)で「ハマスの攻撃を明確に非難する。恐ろしい暴力を直ちに止めなければならない」と強調した。


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