Source: Nikkei Online, 2024年2月11日 22:06更新
【エルサレム=共同】パレスチナ自治区ガザ最南部ラファで9日夜から10日にかけてイスラエル軍の空爆が相次ぎ、AP通信によると子どもを含む少なくとも44人が死亡した。軍はイスラム組織ハマスの大隊が残るとして、避難民が集結するラファへの地上侵攻を準備。民間人の犠牲拡大が危惧されており、アラブ各国は警鐘を鳴らした。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によると、ラファには避難民ら約140万人がいる。ガザと境界を接するエジプトのシュクリ外相は10日、侵攻は「重大な結果をもたらす」と警告。カタール外務省は、大惨事となるとイスラエルを非難した。両国はハマスとイスラエルの交渉の仲介役を務める。
アラブ首長国連邦(UAE)は侵攻計画に懸念を表明し、サウジアラビアやアラブ連盟も危険な影響が出るなどと警告した。
イスラエル軍は10日、ガザ市にあるUNRWAの拠点の地下でハマスのトンネル網を発見したとの声明を出した。拠点からトンネルに電気が引かれ、拠点内の事務所がハマス戦闘員に使われていたと主張、武器も見つけたとした。UNRWAのラザリニ事務局長は、確認できないと表明した。
ガザ保健当局によると、昨年10月以降の戦闘によるガザ側死者は2万8064人に上る。
APなどによると、レバノン南部サイダ北方で10日、イスラエルによるとみられる無人機攻撃があり、少なくとも2人が死亡した。攻撃でハマス関係者が負傷し、レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラのメンバーが死亡したとの報道もある。
UNRWAを巡っては、スタッフが昨年10月のハマスのイスラエル奇襲に関与した疑惑が浮上し、日米欧などが資金拠出の一時停止を表明した。〔共同〕