米英豪のAUKUS、先端防衛技術で日本と協力

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Source: Nikkei Online, 2024年4月9日 0:54

米英豪はオーカスの先端技術分野で日本との協力拡大を検討する=ロイター

【シドニー=今橋瑠璃華】米国、英国、オーストラリアの国防相は8日、3カ国の安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」を通じた先端技術分野の協力に日本の参加を検討すると正式に発表した。日本はAUKUS創設メンバー以外で初のパートナー国となる。

3カ国の国防相は共同声明で「日本の強みと、それぞれの3カ国との緊密な2国間の防衛パートナーシップを認識し、先端技術における日本との協力を検討している」と記した。

AUKUSはインド太平洋で影響力を高める中国の抑止を念頭に、2021年に米英豪が創立した。豪州に原子力潜水艦の配備を進める「第1の柱」と、人工知能(AI)や量子コンピューティングなど先端技術で協力を深める「第2の柱」がある。第2の柱で日本との協力を検討する。

オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)のシニアアナリスト、マルコム・デイビス氏は「先進的な海中戦、自律型システム、ロボット工学のほか、人工知能や極超音速戦で日本は貢献できる」と指摘する。

自律型システムは空と海中の無人機開発に応用可能だ。最新鋭ステルス戦闘機「F35」のような高価な防衛力の代わりに、低コストで済む。極超音速兵器は中国とロシアが開発に力を入れており、対抗能力の構築が急務となっていた。

AUKUSをめぐる動きに中国は警戒を強める。中国外務省の毛寧副報道局長は8日の記者会見で「米英豪がAUKUS拡大を示唆し、アジア太平洋地域の平和と安定を損なう軍拡競争を加速させていることを深刻に懸念する」と述べた。

AUKUSの「第2の柱」は韓国やニュージーランド(NZ)も協力拡大の候補国とされてきた。

一方で全面的な拡大には慎重な声もある。日本にはサイバー防衛や国内の外国スパイに対する取り締まりが西側諸国に比べて弱いとされるためだ。

豪州の野党・自由党に所属し「影の国防相」を務めるアンドリュー・ヘイスティー下院議員は日本や韓国と関係強化を支持する一方で「AUKUSの焦点は3カ国にとどめるべきだ」と主張する。機密性の高い情報や知的財産の移転を巡る懸念があるとの見解を示す。


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