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Nikkei Online, 2023年8月14日 7:42更新
強い台風7号は猛烈な風を伴って近畿や東海地方に接近し、15日に上陸する見込みだ。近畿や東海では15日にかけて局地的な豪雨をもたらす線状降水帯が発生する可能性がある。関東甲信地方でも14日朝から警報級の大雨となる恐れがある。気象庁は海や川に近づかず、土砂災害や河川の氾濫に警戒するよう求めている。
台風7号は14日午前3時時点で伊豆諸島・八丈島の南西約270キロにあり時速10キロで北西へ進んだ。中心気圧は965ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は40メートル、最大瞬間風速は55メートル。中心から半径110キロ以内は風速25メートル以上の暴風域となっている。
台風7号は15日ごろ紀伊半島付近に上陸する見込み。そのまま日本列島を縦断して日本海へ進むとみられる。
気象庁によると、15日正午までの24時間雨量は東海の多いところで500〜300ミリ、近畿や関東甲信で300〜200ミリ。同庁担当者は「関東甲信でも16日ごろまでは警報級の大雨となる可能性が高い」と説明する。
交通網への影響も出ている。JR東海は東海道新幹線について、15日は名古屋―新大阪間で終日運転を取りやめ、東京―名古屋間は大幅に運転本数を減らす。JR東海は18日までの東海道新幹線のきっぷは手数料なしで変更や払い戻しに応じる。
JR西日本も山陽新幹線の新大阪―岡山間で15日に計画運休をする可能性があるとしている。鉄道や航空各社は事前に最新の情報を確認するよう呼びかけている。
今回台風の中心から離れた地域でも大雨となるのは、台風が運び込む暖かく湿った空気が日本の東側に位置する太平洋高気圧の縁を回るようにして関東甲信の上空に流入するためだ。神奈川県や山梨県の山沿いで激しい雨が続く恐れがあるほか、東京都心でも大気の状態が不安定になり突発的な大雨となる可能性がある。
速度が遅いことも台風7号の特徴だ。偏西風が日本の北にあるため、台風を動かす風の流れが弱い。一方で周辺の海面水温は30度前後と高く、水蒸気が豊富にある。速度が遅くても台風の勢力は衰えにくく、暴風や大雨の影響が長引く恐れがある。