生成AI「仕事で利用」2割 正確性などに懸念

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Source: Nikkei Online, 2023年5月7日 2:00

日経読者調査

精緻な文章や画像を作り出す生成AI(人工知能)について日本経済新聞が読者2000人にアンケート調査したところ、仕事で使っている人は2割弱だった。興味があるとの回答は7割を超えた。情報の正確性などへの懸念から、業務利用は手探りの現状が浮かぶ。

調査は日経リサーチと共同で4月3〜6日、日経電子版などの購読に必要な「日経ID」の所有者に
オンラインで実施した。働いている2099人から回答を得た。

米オープンAIの対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」など、生成AIへの関心は高まっている。興味が「非常にある」「ある程度はある」と答えた人は全体の74%だった。

ゴールドマン・サックスは、生成AIの早期導入で企業の生産性の伸びが2〜3ポイント高まる
との試算を示している。
国内でも神奈川県横須賀市がチャットGPTの実証実験を始めるなど、業務活用を模索する動きが
広がりつつある。

今回の調査で実際に使ったことがある人は3割を下回った。
用途別で「仕事」は18%、「趣味」は20%だった。
調査やアイデアの収集、文章作成などの使い道が多い。

仕事での利用率は業種で差がある。最も高かったのは「情報処理・システムインテグレーション・ソフトウェア」で31%、「コンサル・会計・法律関連」が次いで30%だった。最も低かったのは「介護・福祉」で5%だった。

使う際の懸念事項については「情報の正確性や公平性」が64%で最も多かった。「著作権などの法務リスク」が50%、「情報流出などのセキュリティー」が47%で続く。鳥取県が業務でチャットGPTを使うのを禁じるなど、慎重論は消えていない。

全体としては期待が警戒を上回っている。普及した際の仕事への影響を尋ねたところ、64%が「役に立つ」と回答した。「脅威になる」は37%だった。

社会に浸透するにはルールづくりも課題になりそうだ。6割の人は職場で生成AIの利用ルールが「策定されていない」と回答した。「策定されている」のは7%だけだった。

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