天皇陛下63歳に 結婚30年、皇后さまは「大切な存在」

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天皇陛下は23日、63歳の誕生日を迎えられた。これに先立つ記者会見で、6月に控える結婚30年について「時の流れの速さを感じます」と言及し、皇后さまが「日々の活動を支えてくれる大切な存在」だとして感謝の気持ちを述べられた。


皇后さまは昨年12月の59歳の誕生日にあたり、29歳と半年での結婚以来、人生の半分を皇室で過ごしたことへの感慨をつづられた。陛下は皇后さまが「公私にわたり良き相談相手」だとし「生活に安らぎと温かさを与えてくれていることもとても有り難く思っております」と続けられた。

4月に大学4年となる長女、愛子さまについては「新型コロナウイルス感染症の感染状況が落ち着いて、キャンパスに足を運べるようになり、これまで以上に広い経験を積んでくれれば」と願われた。

天皇、皇后両陛下は2022年、コロナ禍で中止が続いていた地方訪問に約3年ぶりに臨まれた。陛下は訪問先での様子を「たくさんの方々に温かく迎えていただいたことを、雅子と共に大変嬉(うれ)しく思っております」と振り返られた。

63歳の誕生日を前に、皇后さまと撮影に臨む天皇陛下(16日、皇居・御所)=宮内庁提供

同年10月には、本土復帰50年を迎えた沖縄県を即位後初めて訪問された。太平洋戦争末期の沖縄戦の遺族と言葉を交わしたことに触れ「再び戦争の惨禍が起こることのないよう、平和の大切さを改めて心に刻みました」と述べられた。

各地で起きている戦争や紛争について「多くの人々が亡くなり、傷つき、あるいは住む家を失い、恐怖や悲しみの中にいます」とされた。「互いの違いを乗り越えるべく対話を重ね、協力しながら問題を解決していく」ことの大切さを強調された。

宮内庁が情報発信の強化に向けた準備を進めていることについては、「皇室に関する情報を、適切なタイミングで国民の皆さんに分かりやすくお知らせしていくことも大事」との認識を示された。

両陛下は22年9月に英国を訪れ、エリザベス女王の国葬に参列された。陛下は生前の配慮への感謝を述べたうえで、「深い哀悼の気持ちを持って女王陛下に最後のお別れをいたしました」と振り返られた。




天皇誕生日の一般参賀、令和初 陛下「健康と幸せ祈る」

63歳の誕生日を祝う一般参賀で、訪れた人たちに手を振る天皇、皇后両陛下(23日、宮殿・長和殿)

天皇陛下の63歳の誕生日を祝う一般参賀が23日、皇居・宮殿の東庭で行われた。新型コロナウイルス禍の影響で2020年以降中止が続いており、令和への代替わり後初めての実施となった。

陛下は皇后さまや長女、愛子さまらとともに宮殿・長和殿のベランダに立ち、集まった参賀者らに「誕生日に初めてこのように皆さんからお祝いいただくことを、誠にうれしく思います」とあいさつされた。大雪などの被害にあった人々を気遣った上で、「皆さんの健康と幸せを祈ります」と述べられた。

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新年一般参賀と同様、感染拡大防止のため参賀者数は抽選で絞られた。参賀は午前中に計3回行われた。

63歳の誕生日を祝う一般参賀で、訪れた人たちに手を振る
天皇、皇后両陛下と皇族方 (23日、宮殿・長和殿)

宮殿では同日、秋篠宮ご夫妻ら皇族方や三権の長などが陛下に祝意を伝える祝賀行事が行われた。コロナ禍の状況を踏まえ、飲食を伴う祝宴や茶会は今回も実施を見送った。